GIFT
なぜ多くの人がスポーツに魅了されるのか。
サッカーだけで見ても、先日行われたカタールW杯の経済効果は2兆円と言われ、その大会でMVPに輝いたリオネル・メッシの年棒は推定155億円にも達する。スポーツには何の生産性もないにも関わらず、これだけのお金が動いている。
当たり前だが、全生物の中でスポーツをするのは人間だけ。スポーツをしなくても生きていけるし、なくても困らない。むしろスポーツが嫌いな人だって多くいると思う。スポーツはテレビゲームや、テーマパークなどの娯楽と変わらない「暇つぶし」に過ぎないのか。
今一度スポーツをする意義、子供たちとスポーツを通じて関わる1人として改めて考える。
まず、スポーツをするメリットといえば、体力の向上やストレスの発散といった健康の保持増進が分かりやすい。これは子供に関わらず、大人にも同じことが言える。日頃から適度にスポーツをすることによって、健康的で健全な生活を送ることができる。
だからこそツバサでは「生涯に亘り、スポーツを楽しむことのできる人材の育成」を念頭においている。そして何より、「楽しむ」ということを大事にしている。
勘違いしてほしくないのは、スポーツを楽しむというのは手段方法であり目的ではないということ。スポーツを楽しむことが成長につながるキーファクターであり、スポーツを楽しむことで得られるものこそ、スポーツからの最大の「ギフト」であると考えている。
その「ギフト」とは「前頭前野の活性化」だ。スポーツ(運動)を楽しむことにより、脳の前頭前野と言われる部分が活性化する。前頭前野は「思考力」「感情のコントロール」「コミュニケーションの能力」「記憶力」「集中力」といった人間が最も人間らしくあるために必要な働きをする重要な部分。つまり、子供たちが成長していく上で最も発達させるべき場所だ。
だが、前頭前野はただ運動をするだけでは活性化しない。スポーツを楽しみ、主体的に取り組むことが必要不可欠だ。もし仮に、嫌々でもスポーツをやらせ、怒ってでも全力を引き出させた方が脳の活性化に繋がるというのであれば私もそうする。しかし、それでは意味がない。脳を活性化させ、子供の成長に繋げるためには楽しませ、「もっとやりたい」という気持ちを引き出す必要がある。だから「スポーツを楽しむ」は目的ではなく、手段方法なのだ。
スポーツを生涯に亘り楽しむということには大きな意義がある。
スポーツは決してテレビゲームやテーマパークでは得られない、人間らしくあるために最も必要な「ギフト」をもたらしてくれる。