無意識へのアプローチ
(久々の投稿申し訳ありません。投稿しなきゃなと思っていましたが、気がついたら3ヶ月経っていて驚いています。笑)
認知→分析→決断→実行 サッカーに限らず、ありとあらゆる場面でこのサイクルが行われている。人は本能のまま生きる他の動物とは違い、しっかり物事を認識し、考え、判断し、行動に移す。このサイクルがサッカーに限らず人として成長する上で欠かせないものだ。
特に近年日本でも、認知→分析→決断の頭の中で行われていることにも重きを置くようになってきた。ヨーロッパの研究ではサッカーで起こるミスのうち→実行、つまり個人のテクニックが占める割合は20%〜30%しかないという。ミスというのは70%〜80%、頭の中ですでに起きてしまっているということになる。考える必要のない数をこなすだけの反復練習だけでは、良いサッカー選手は生まれない。
しかし、本当に毎回毎回そこまで考えてプレーできているのか?一瞬一瞬で状況が変わり続けるサッカーというスポーツの中で、そんな時間的余裕があるのか、現実はどうなっているのも、改めて考えなければいけない。
以前、シャビ・エルナンデスという超一流のサッカー選手の脳の動きが研究されたことがある。詳しい内容は省略するが、この選手は膨大な情報の中から、無意識に、直感に従い最適なプレーを選択していることがわかった。また将棋で有名な羽生善治さんも一つの局面において直感から最善手を導き出しているという。
意識的に行われる思考の過程も重要だが、無意識に行われるこの直感も同じように重要なものだ。この直感力とそれを信じる力を磨くこともまた、レベルアップには必要不可欠と言える。
直感というものは、現在置かれた状況が過去の出来事と似ている場合に作用する。直感は、無意識の領域に蓄積された知識や経験に基づいており、この知識や経験の蓄積が多ければ多いほど、より素早く、より容易に効果的な直感に基づいた決定を下すことができる、と言われている。
つまり、子供の頃にどれだけ多くの経験をさせてあげられるかが、その後の飛躍に繋がる。そういった意味でも私がやっているエコロジカルトレーニングは最適だと思う。制約された様々な状況を与え、意思決定を選手に委ね、私は選手が最大限のパフォーマンスができるようにアプローチする。常に状況が変わり続けるサッカーなのだから、その練習も常に変わり続ける状況が必要だ。
今、上手くいったかどうかは重要ではない。正しい判断だったかどうかは重要ではない。全ては経験だ。いつか必ずくる飛躍のための経験なのだ。
意識的な思考+無意識下の直感が新しい可能性に繋がる。