潜在能力を引き出す
勉強やスポーツ、ビジネスにおいても成功するためには自分の最大限の能力を発揮する必要がある。しかし、多くの人間が自分の限界を知らないのではないだろうか?かく言う私も自分の限界がどこにあるのか、どれだけのことを成し遂げることができるのかは分からない。自分の中に秘められた潜在能力を、どうしたら最大限に発揮することができるのか、一人の人間として知りたいと思うし、また子供たちの潜在能力もどのようにしたら最大限に引き出すことができるのかを、子供の未来に触れている指導者として理解する必要がある。
まず潜在能力が引き出されている状態というのはどういった状態なのかまとめる。
潜在能力が引き出される時は、完全なプラス思考であり、やる気と行動力に満ち溢れた状態である。プラス思考になると脳下垂体から全身の活動性を高めるホルモンが分泌され身体機能が最大限に発揮できる。さらに脳全体にもドーパミンが分泌される。ドーパミンはモチベーション、記憶力、集中力に影響を与える物質であり、スポーツはもちろん、勉強や仕事をする上でも、高パフォーマンスを発揮するのに必要不可欠な物質だ。またドーパミンが分泌されれば、幸福感をアップさせ、楽しい、嬉しい、ワクワクする、もっとやりたいといったプラスの感情が自然と溢れ出る。逆に言えば、楽しまなければいけない、やる気を出さなければいけない、一生懸命やらなければいけない、と思っているうちは、ドーパミンは分泌されておらず、潜在能力は発揮されていない。よく成功するための努力は辛く、苦しいものを、コツコツと積み上げていくことと思われがちだが、本当に成功するための努力は、楽しくワクワクするもので、潜在能力の発揮による飛躍的な成長を伴うものである。
このように完全なプラス思考でやる気に満ち溢れ、潜在能力をグングン引き出されている状態を「メンタルヴィゴラス」と言う。精神状態は他に「メンタルサプレスト」「メンタルディプレスト」「バーンアウト」の4つに分けられる。
先ほど述べたように、頑張らなければいけない、楽しまなければいけない、一生懸命取り組まなければいけないといった義務感から仕事や練習、勉強に取り組んでいる状態が「メンタルサプレスト」である。ほとんどの人がこの「メンタルサプレスト」の状態に当てはまると言われている。この状態では自分の最大限の能力が発揮できないため、思うような成果が上げられず、益々「もっと頑張らなければ」いけなくなる。本当に頑張れている時、楽しんでいる時というのは「〜しなければいけない」とは思わない。
「メンタルディプレスト」とは無気力な状態。全てにおいて「できるはずがない」と考えてしまうマイナス思考な状態。みなさんの周りにも数人はいるのではないだろうか?
そして「バーンアウト」状態。これは「メンタルディプレスト」を酷くした状態と思ってもらって良い。近年「燃え尽き症候群」と言われ、高校の部活やプロを引退した人が「バーンアウト」してしまうことが問題になっている。なぜこういった状態に陥ってしまうのかというと、目標達成のため「〇〇しなければいけない」と一生懸命努力してきた人が、目標を失うことでやるべき事を分からなくなるからだ。つまり「メンタルサプレスト」状態で特に、人一倍義務感が強く努力している人がバーンアウトに陥ってしまう。
指導者が子供たちに、勝つために一生懸命頑張せることには大きな危険がある。勝つために一生懸命頑張らなければいけないのではない。楽しみながらプレーすることで、潜在能力が引き出され最高のパフォーマンスが発揮でき、それが結果に繋がるのだ。ただ気をつけなければいけないのは「楽しまなければいけない」と思わせないことだ。先程も述べたように、本当に楽しんでいる人、一生懸命頑張っている人は、「〜しなければいけない」とは思わない。
成功するために潜在能力を最大限に発揮するには、「メンタルヴィゴラス」状態になること。そのためには完全なプラス思考になることだ。プラス思考とはプラスイメージ+プラス感情である。指導者は子供たちが自然とプラス感情になれる、ドキドキ、ワクワクしながら楽しめる環境を提供が大切だ。そしてプラスイメージ、自身の成功を強く明確にイメージできる質の高い練習もしなければいけない。それにはどういった言葉掛けが必要か?態度や表情は?普段の立ち振る舞いは?子供たちとの関係は?何より子供たちは自信とやる気に満ちた最高の表情になっているだろうか?
潜在能力の発揮、自己実現、本当に大切なもの必要なものを見失わないようにしたい。