日本と欧州の違い

今回は日本とヨーロッパのサッカー環境の違いを紹介する

日本が世界に追い付くために何が必要なのか、そして何が不必要なのかを考えてもらいたい。

 

1.トレーニング時間

小学生以下 中学生以上

日本

90分〜2時間 2〜3時間

(+朝練

2時間程度)

ヨーロッパ 60分 90分

まずはトレーニング時間ではヨーロッパでは基本的に試合時間とトレーニング時間が同じになっている。小学生でも30分ハーフの試合を行うのでトレーニング時間は60分。中学生以上になれば1試合40分〜45分ハーフなので90分が基本だ。それ以上の時間トレーニングをしてしまうと、選手が無意識にペース配分をするようになり、実際の試合で100%の強度で試合に臨むことができなくなるからだ。あくまでトレーニングは試合で100%の力を発揮するために行うものであると考えられている。

 

2.トレーニングと試合の頻度

トレーニング

小学生以下 中学生以上
日本

週2〜3回

(+スクール)

週4回
ヨーロッパ 週2回 週3回

試合

小学生以下 中学生以上
日本

土日両日

1日に3〜

4試合

土日両日

1日に3〜

4試合

ヨーロッパ 土or日1試合 土or日1試合

次に頻度だがトレーニング、試合ともにヨーロッパの方が少ない。試合に関しては、週末のどちらかに1試合しかないので、年間を通したら日本の5分の1以下だろう。ヨーロッパのトレーニングと試合のサイクルはプロと同じようになっており、トレーニング内容も、試合→リカバリー(回復)→ローディング(負荷)→テーパリング(調整)→試合となっている。育成年代に対してもプロと同じような環境が整っている。また、スクールの文化もない。なぜなら、先ほども言ったようにトレーニングは試合で100%を発揮するために行うものであるため、日本のスクールのようにトレーニングでの上達を目指していないからだ。

 

3.各年代の目標

はっきり言ってここが一番大きな違いかもしれない。何度も紹介しているように、ヨーロッパには全国大会がない。では何を目標にしているのかというと、年間を通したリーグ戦でのリーグ優勝だ。これもプロと同じである。土日のどちらかにある試合も基本的にこのリーグ戦のことだ。リーグ戦で優勝するためには年間を通して好調を維持しなければならない。これはとても難しいことだ。だからそのためのトレーニングサイクルがある。日本は全国大会で優勝するためのサイクルになっている。これは強いチームであろうと、そうでないチームであろうと基本的には変わらない。なぜならそれが当たり前だからだ。

 

4.チームのあり方

日本では部活の文化があるため、小学校、中学校、高校とチームが変わるのが一般的だ。しかしヨーロッパではそのような区切りはなく、子供から大人まで一貫した環境のもとサッカーに取り組んでいる。そしてチームを選ぶ基準はそのチームの育成方針や、チームのレベルが子供に合っているのかどうかで判断する。逆に強豪チームは選手のレベルが自チームのレベルより明らかに低ければ、子供であろうと戦力外通告を言い渡す。レベルが合わないチームで試合に出れず燻っているよりも、その子のレベルに合ったチームでたくさんの出場機会があったほうがその子の為になるという選手の為を想った措置だ。日本では強豪チームに数十人、数百人と集まり、ベンチにも入れず応援席で観戦しているプレイヤーになれない選手がたくさんいる。戦力外通告を受けるより残酷なことだと思う。

 

まだまだ例をあげればキリがないが、以上がヨーロッパと日本の大きな違いだ。私は日本よりもヨーロッパの方が子供のより良い将来に繋がっていると考える。

ここで多くの方に知っておいて欲しいのは、日本の当たり前は、全然当たり前ではないということ。

そして、今までの常識が、これからの常識とは限らないということ。

今、ツバサの掲げる理想は、日本では非常識かもしれないが、これからは違う。世界は常に変わり続ける。