兎と亀
皆さん、ウサギとカメのお話は知っていますか?
多くの人が一度は聞いたことがあると思うが、ウサギとカメが競争をし、大きくリードしていたウサギが油断をして居眠りをしていると、その隙にカメが着実に進み、ウサギが気が付いた時にはカメが先にゴールをしていた、と言うイソップ童話だ。
このお話から得られる教訓は「自分の力を過信して油断すると思わぬ失敗をしてしまい、また、能力が低くても着実に一歩一歩進むことで、大きな成功を掴むことができる」である。
考え方、物語の捉え方は人それぞれで正解があるわけではないが、私は本当にこの話から学ぶべきことはもっと深いところにあると思う。
ウサギの敗因は「油断」であり、カメの勝因は「諦めないこと」にある。では、なぜウサギは油断をしたのか、なぜカメは諦めずに進むことができたのか、ここに大きなウサギとカメ、成功する人と失敗する人との大きな差があると思う。
大事なのはウサギもカメも「何を見ていたのか」だ。結論から言うと、「ウサギはカメを見て、カメはゴールだけを見ていた」のである。
ウサギは、競争相手であるカメを見て、自分と比較し、その差に気が付き「余裕で勝てる」と油断をしだ。カメは、目指すべきゴールだけを見て、遅くても着実にゴールに向かっていると実感できたから諦めなかった。
もし、ウサギがカメを見ることなくゴールだけを見て進み続けていたら、まず間違いなくカメでは勝てない。またカメもゴールではなくウサギを見て、自分と開き続ける差を意識してしまったら、絶望しゴールすることを諦めていたかもしれない。
目指すべき場所に辿り着くために大事なのは、他人との比較ではい、過去の自分、そして理想とする自分との比較だ。1週間前より、1か月前より、1年前よりどれくらい成長したか、理想とする自分にはどれくらい近づけたのか、それだけを見て進めば良い。
しかし、世の中は他人との比較、競争で溢れかえっている。テストの点数しかり、スポーツの大会しかり、他人よりどれだけ優れているかが自分の成長した尺度になってしまっている。
他人に勝ったからといってゴールに一気に近づいたわけではないし、他人に負けてからといってゴールから遠ざかったわけではない。
子供たちが目指すべきゴールは遥か先にある。諦めることなく、また油断することなく、一歩一歩進めるようにサポートしていきたい。もちろん私も、ゴールを目指すその一人として、歩みを進めていきたい。