スポーツをPLAYする

皆さんはスポーツをする現場でこのような言葉を耳にしたことはありませんか?

「集中しろ!」「ふざけるな」「遊びじゃないんだぞ!」

自身が子供の頃に言われていた、もしくは今、子供たちに言っているという方も少なくないと思います。

では、スポーツを「PLAY」するということは、どういうことなんでしょうか?

例えば「サッカーをする」を英語で言うと、「play  soccer」ですが、この「PLAY」は日本語に訳すと「遊び」になります。

これはその他の言語でも同じです。スペイン語でも「サッカーをする」は「jugar fútbol」「fútbol」は「サッカー」そしてもちろん「jugar」は「遊び」です。

つまり、世界的に観て、多くの国が、人がスポーツを遊びの延長線上にあるものと捉えています。

日本ではどうでしょう?「スポーツ」と「遊び」を別々に捉えていませんか?

子供が自らやりたい遊びをする時、誰もが夢中になり、時間も忘れて、真剣に、それでいて何よりも楽しく取り組むことができます。子供たちが成長するために必要なのはこういった環境です。

そこに「集中しろ」や「ふざけるな」と言った言葉は出てきません。もしそんな言葉が出てくるとしたら、それはその遊びが「楽しくない」時だけです。楽しくない遊びに「夢中」になれる人なんていません。

「そんな甘い考えでは強くなれない」「そんな考えは勝つためには相応しくない」そう言う人もいるでしょう。しかし冷静に考えてください。多くのスポーツにおいて欧米の方が圧倒的に強いはずです。強くなることと、心から楽しむことは(ノットイコール)ではないんです。

効率化したトレーニング、構造化した環境、確かにこれも上達するために必要なものであることに間違いはありません。しかしそういったものに囚われ、本当に大事なものを見失っていませんか?結果に囚われ、子供たちの心を置き去りにしていませんか?

世界は常に先へ進んでいます。子供と係る全ての人がそれを知り、そして変わらなければいけません。変わらなければいけませんが、それは簡単ではないのもまた事実です。多くの人が、自分が経験してしまった、そして日本という小さな世界で成功してしまったがために、新しいことに踏み出す勇気を持てずにいます。

でもこれは、「世界が経験したこと」であり「世界が成功していること」です。どちらの方が価値があるのかは明白です。

もちろん私もすぐに、完璧に変わることはできません。子供たちの態度にイライラしてしまうこともあります。子供たちの表情を見れていない時もあります。それでも自問自答しながら、一歩づつ、昨日よりほんのわずかでも前に進めるように努めています。後ろに下がってしまうことも多々あります。でも子供に係る指導者として大事なことは、常に前へ踏み出し続ける勇気だと信じています。

子供たちのより良い未来のために、多くの大人が一歩を踏み出す勇気を持ってくれたらと思います。