カリフォルニアロール
ネット環境が充実している現代社会、海外サッカーの情報も簡単に手に入る。トレーニングメニューや試合の様子、かなりマニアックな話まで、インスタグラムやツイッターを開けば、必要以上に手に入る。もちろん日本国内でも指導者ライセンスがあり、チームの立ち上げにはライセンスの保持と定期的な講習会の受講が必須であり、サッカーを学ぶ機会は十分にある。
そんな中、私は2018年の夏にスペイン留学をし、スペインの指導者ライセンスのレベル1を取得。そして今年の夏も一つ上のレベル2取得のためにスペインに留学する予定だ。日本国内でもサッカーを学ぶ機会が十分にあるのにも関わらず、時間とお金をかけて海外まで直接行き、サッカーを学ぶ必要があるのだろうか?本当にそこまでの価値があるのだろうか?
残念ながら日本と海外、特にヨーロッパとはたくさんの「違い」と「差」がある。追いつき追い越せと頑張ってはいるが、サッカーに関しては日本が後進国でヨーロッパが先進国だ。
「トーナメント」と「リーグ」、「テクニック」と「スキル」、「根性」と「戦術」、「量」と「質」、「青春」と「生涯」、「個人」と「集団」、例えるなら、日本の「お寿司」とアメリカの「カリフォルニアロール」ぐらい違う。異なる文化が異なる発展を生んでいる。
皆さんはお寿司を食べたいと思った時、カリフォルニアロールとネットで得た知識で作る寿司屋さんと、実際に日本で寿司を学んだ人が握る寿司のどちらを食べたいと思うのだろうか?たまに食べる分には良いかもしれないが、多くの人が日本のお寿司を食べたいと思うはずだ。
別にカリフォルニアロールが間違っていると言っているわけでない。アレはアレで需要があるから生まれ、食べられている。アメリカに行けば日本のお寿司より人気があるのかもしれない。日本のサッカーだって、ソレはソレで需要があるし、日本の文化にはソレが合っている。
けどだ、本当に子供たちは日本のサッカーに憧れているかな?先日の「日本vs香港戦」の観客動員数は5,000人にも満たない。それに比べ「パリサンジェルマン」の公開練習と言う名の「パフォーマンス」には13,000人以上が、川崎との試合には約65,000人のファンが観に行っている。
多くの日本の子供たちが日本代表よりもメッシ、ネイマール、エムバペのようになりたいと思っているのではないのか?Jリーグ所属のチームより、レアル・マドリード、バルセロナ、パリサンジェルマン、マンチェスターシティのようなサッカーがしたいと思っているんじゃないか?
ネット環境が充実し、簡単に世界中の情報が手に入るこの社会で、世界を知り世界に憧れる子供たちに、「これが本場だよ。」と言いながらカリフォルニアロールを提供したらソレはもう詐欺だろ。でも残念ながら現実には、みんなが知らないのを良いことに、そんなことが平気で起きている。
日本と世界は違う。これは認めなければ行けない。もちろん、他の国同士でも違う。文化が変われば学べるものも変わる。誰が正しいとか、誰が間違っているとかの話ではない。需要に対して胸を張れるものを提供する。
子供たちがヨーロッパサッカーに憧れているなら、ヨーロッパに行き現地でサッカーを学び、伝える。子供の前に立つ指導者だから、その期待に応えられるようになる。当たり前の話。
クリロナやメッシの育て方は知らないけどね。笑